花の季節 原生花園
色鮮やかな花々と野鳥たちが織りなす、生命の楽園
オホーツクの風が育んだ「オムサロ原生花園」は、この土地ならではの貴重な自然形態を残す美しい場所です。
初夏から夏にかけて、園内は生命の輝きで満たされます。紋別市や北海道のシンボルでもある真紅の「ハマナス」の群落をはじめ、鮮やかな黄色のセンダイハギやエゾカンゾウ、可憐なハマエンドウ、そして大輪のエゾスカシユリなど、約80種もの海浜植物や草原植物が次々と咲き誇ります。この季節には、地元のひとびとはもちろん、遠方からも多くの観光客が訪れ、色彩豊かな花園の散策を楽しんでいます。
ここはまた、小さな命たちが歌う場所でもあります。「ノゴマ」や「ベニマシコ」といった美しい野鳥たちの貴重な生息地となっており、シーズンには道内外から多くの野鳥観察・撮影の愛好家が足を運びます。市街地からのアクセスも良く、広すぎない程よいスケール感に加え、駐車場や憩いの場である「ネイチャービューハウス」との往来がしやすいことも、多くの人々に愛される理由の一つです。
しかし、この美しい楽園は、いま繊細なバランスの上に成り立っています。
園内では、ハマナスをおびやかす「ハマナスてんぐ巣病」の感染や、希少な在来植物の減少、外来生物の侵入といった植生の乱れも深刻な課題となっています。
野生動物たちの目線で描かれた手島圭三郎氏の作品世界が示すように、ここにあるのは単なる美しい景色だけではありません。厳しい環境のなかで懸命に未来へと命を繋ぐ植物や鳥たちの営みを、そっと見守り、未来へと引き継いでいく――。オムサロ原生花園は、そんな自然の尊さを私たちに教えてくれる場所です。